客観的に見る中国の国防と日本の防衛

米空母をピンポイント攻撃するつもりはさらさらないだろう

2017.04.30 (Sun)
新型の対艦ミサイルか 北朝鮮、米空母を牽制した可能性

朝日新聞デジタル 4/29(土) 21:08配信

 北朝鮮が29日午前5時半ごろ、西部の平安南道北倉(ピョンアンナムドプクチャン)付近から北東方向に弾道ミサイル1発を発射したものの、失敗したとみられると韓国軍合同参謀本部が発表した。ミサイルは数分間飛行して北朝鮮内に落下。最大高度は71キロで、空中で爆発したとの見方もある。

 ミサイルの種類や性能などははっきり確認されておらず、米韓などが分析している。米CNNなどは、空母など艦艇を狙う新型の対艦弾道ミサイル「KN17」と推定されると伝えた。15日の北朝鮮の軍事パレードの際もKN17とみられる機体が披露された。朝鮮半島近海に入った米原子力空母カールビンソン率いる空母打撃群を牽制(けんせい)し、米国の圧力に屈しないという意志を示した可能性もある。発射は、国連安全保障理事会が北朝鮮情勢について閣僚級会合を開いた直後だった。

 菅義偉官房長官は29日の記者会見で「発射された弾道ミサイルは、(発射場所から)約50キロ離れた北朝鮮内陸部に落下したと推察される」と述べた。

 弾道ミサイルに関し、米太平洋軍は「北朝鮮領域を出ていない」と分析。北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)も「北朝鮮から発射されたミサイルは北米の脅威にはならない」との声明を出した。



対艦弾道ミサイル…。
中国では、DF-21Dを開発中とされていますが、まだ実用段階にないとみられます。
理由は、センサー。

つまり艦艇の位置情報を正しく把握できなければ、いくらでかいといえども洋上の一点にすぎない移動目標である米空母に直撃させることはできません。
しかも移動するならば、艦艇の未来位置を予測しなければなりません。

そんなこんなで中国はまだ実用化にまでは至ってないと考えられていますが、技術がさらに送れている北朝鮮も開発着手していたとしても同様です。

しかし、高度なセンサー部隊がないにもかかわらず空母を弾道ミサイルで沈めるとなると、核弾頭で空母が展開するエリア全体を攻撃する狙いがあると思われます。

現状、北朝鮮の弾道ミサイルにできる空母への対抗手段は、それしかないと思います。

中国ですら、核弾頭での空母撃沈は想定していなかったはずですが、ピンポイント破壊能力の獲得ができないままに追い込まれた北朝鮮が、オプションとして空母を核攻撃する可能性は否定できません。

ただそれを行動方針として採用したとしても、北朝鮮の地上レーダーで捕捉しなければ位置座標を捉えられないでしょうから、相当北朝鮮領域に引き付けなければ無駄弾を撃つことになるでしょう。

一方の米空母も、バカではないから北朝鮮の地上レーダーに捉えられるまで近づくことはしないでしょう。
通常、地上レーダーの捕捉範囲は、100Km未満ですからそれより遠くに展開していれば、いくら北朝鮮が洋上のエリア全体を目標としていても米空母に打撃を与えることは難しいでしょう。

あまり実用的な手段とも思えないのですが、北朝鮮は核を持って空母を破壊するオプションも想定していると思います。
ただ日本海でやるとなるとロシアが黙っていないでしょうが。
関連記事
スポンサーサイト



コメント


管理者のみに表示

トラックバック